世の中から名刺をなくしたい。

名刺交換とかうざい。
私は営業職とかじゃないからだろうが、 もらっても99.9%電話もメールもしない。
だからここ数年名刺は持ち歩かないことにして、「すいません切らしてまして」ということにしている。
実際に連絡を取る人にとっても、無駄の多い馬鹿げたプロトコルだ。(私はそんなことしないで捨てるが)いちいち名刺を見て氏名と電話番号、メアドを連絡先アプリに手で打ち込むとかやってられないし、OCRかけるとかバカげている。はなから電子データで交換すればいいのだ。
そもそも連絡先交換ならTwitterだのFacebookだののIDでも教えてくれれば十分なのだ。むしろこちらのほうがつぶやきから人となりが分かったりアバターなんかで視覚的な識別が可能なぶん情報量が多い。

というわけで世の中から名刺を撲滅するためのサービスを妄想してみた

機能仕様:

  • スマフォアプリとして実装する
  • Bumpのようなやり方で事前に設定した連絡情報を交換できる
  • iPhone <-> Android間でも交換できる
  • 連絡先情報はサーバ側に保存され、連絡先を更新しても、すでに交換した人たちは常に最新の情報を参照する
  • ただしスマフォがオフラインになったりサーバがダウンしてもいいようにクライアント側にもキャッシュする
  • クライアントサイドで検索したり電話したりメールを出したりTwitterのDMだしたりできる

Plaxoみたいな感じかもしれない。
でもこのモデルは機能しないことがすぐ分かる。これだけではこのサービスのユーザ同士でしか連絡先を交換できない。しかしはじめて会う人がこのサービスを利用しているかどうか知るすべがない。

このサービスを使ってる人と使ってない人の間でも上手く機能するやり方を考えなければいけない。

追加機能: ユーザ <-> 非ユーザ間での交換

  • 後方互換モードとして名刺のOCR機能を提供する
    • 携帯のカメラで名刺を撮影するとOCRかけて検索したりできるようになる
    • つまり、最初は単独の名刺管理アプリとしても使えるようにする
  • 非ユーザが写真を撮ることを許可してくれたら、その場で携帯のカメラで撮影して名刺と関連付けて顔画像を保存できるようにする
  • その場で相手を招待するメールを送れる

二番目の機能は必須だ。典型的な成功ストーリーは次のようになる:

  1. 普通に名刺交換する
  2. 普通にミーティングする
  3. 普通にミーティング終わる
  4. 最後にちょっと声をかける
  5. 「ちょっといいですか。実はこういう名刺管理アプリを使っているんですが(名刺と顔写真が並んでいるアプリを見せる)、顔写真を取らせていただいていいですか?」
  6. 「いいですよ。面白そうなアプリですね。私も使ってみようかな」
  7. 「お、それでは招待しましょうか?」

私はヘビー名刺ユーザじゃないので伝聞なのだが、大量の名刺を交換する人たちのライフハックとして、「名刺にその人の特徴をメモっておく」というのがあるらしい。しばらくするとどういう人だか忘れてしまうから。
そう考えると、失礼に当たらなければ顔写真と名刺を関連付けておくのは便利な機能のように思える。(一般的に言って失礼かどうかは良く解らん)
そして、ユーザがこのアプリについて説明して顔写真を撮らせてもらうというインセンティブを用意すると、これは無料でアプリの宣伝をしてもらっているようなものである。撮られる側も何百人かにひとりは「へえ、ちょっといいじゃん。使ってみようかな」と思ってくれるかもしれない。もし撮られるのが嫌なら拒否すればよい。あるいは最初はスルーかもしれないが、同じような体験を何回もすれば認知度が上がっていくはずだ。

こういうのは何でもそうだが、ユーザが少ないうちは誰も見向きもしない。ところがウランの臨界のように、ある狭いコミュニティ内でのユーザ数があるしきい値を超えると、むしろ使っているほうが普通、みたいになるはずだ。そうなればコミュニケーションの1stフェイズはこのアプリでの連絡先交換となり、名刺はまだ使ってない人に対するfallbackになる。ここまでくれば時間の問題で名刺を撲滅できる。そうできなければ凡百のサービスと同じように、単に終わる。

業界によっては難しいだろうが、ギーク層とかネット業界とかの新しい物好きクラスタではそれなりに受け入れられそうな気もする。

とか妄想した金曜の昼。