*いしのなかにいる*

最近ECナビの商品検索を作り直したりしてたりする。まあ現状のものがあまりにアレなのがすごくアレなだけに、今作ってるのがリリースされたらかなりまともになったりするのだけど、そこはどうでもいいというか、今言いたいことはそこではない。
それ作るために色々今の検索ワードの統計とか見たりするのだけど、クイジナートなるフードプロセッサが検索されているのを見てショックを受けるわけだ。

クイジナート、というか我々にはカシナートと言った方が通りがよいそれは、本当は有名なフードプロセッサのメーカーな訳だけど、問題はそこではなく、我々にしてみればそれはフードプロセッサではなく名刀であり、Blade Cuisinartであり、中学生の頃にBlade Cuisinartというのは別に名刀でもなんでもなく、アメリカでは有名なフードプロセッサのもじりなのだということを知ったときの衝撃を思い出したりするわけだけど、僕にとってはやはりBlade Cuisinartは名刀であり、司祭が鑑定してカシナートのつるぎが出たらなんか捨てる気になれずについついボッタクリ商店に売ってしまうそれは、もはやむらまさとか手裏剣とかエクスカリバーとかを持っていて使う余地がないとしてもやはり高級品というか憧れの品なのであるが、そういう事情を知ってか知らずかクイジナートで検索してフードプロセッサを見つけている人というのもいるのだと思うとある種の感慨と感傷を禁じえないのである。

この種の衝撃というか悔しさというのは、例えばSICPを読んでいて、練習問題に出てくる登場人物の名前がジョークだということがわかっても、ほとんどの場合どういうジョークなのか分からずに悔しいというのに近い(Eva Lu Atorがジョークなのは分かるけど、Ben BitdiddleとかAlyssa P. Hackerとかがどういうジョークなのかちっとも分からん、というかギリギリジョークであることはわかっても何が面白いのか全然分からない)。

ああそうだ、それから暗号の人たちがやたらとAlice、Bob、それからChrisやCarol、DaveやDanieを使うのは分かる。そしてChrisやCarolではなくCharlieを使うやからは軍ヲタであり、だったらAlice/Bobではなくアルファ、ブラボーであると思う。僕の親父は軍人なので、例えば電話口でメールアドレスをしゃべるときには一文字ずつアルファだのブラボーだのチャーリーだのデルタだのエコーだの言うのであるが、正直日本人にはFOXTROTと言われても何のことか分からないし、ケベック(QUEBEC)がQなのかKなのかCなのか分からないし、ロミオ(ROMEO)がRなのかLなのか分からないのである。