製造業がいつか来た道を歩もうとしているのか。

マスメディアは遂に独占的地位から陥落し、製造業がいつか来た道を歩もうとしているのであろうか。

前回のエントリで、特権的地位を失おうとしているマスコミについて書いた。これ、そもそもR30氏やガ島氏などのメディア論にインスパイアされて書いたものである。そのR30氏が新エントリでネットとマスメディアの差異を明らかにし、さらにマスメディアの未来を占う。

 こうした状況に対抗するためには、一義的には「ネットに負けない解釈のクオリティとスピード」を1次情報に付加するということを、マスコミ側が常に実現していればいいわけだ。実際にエース級の記者や著名なフリーランスのジャーナリストとかっていう人たちは、それを1人でやる能力を持っている。

 だけど、この「理想論」には2つ問題がある。1つは、マスコミに所属して記事を書いているあらゆる人間がネットを凌駕するレベルに達することは、当たり前だが到底不可能だということ。それともう1つは、マスコミに期待するエントロピー低減の「方向」が、個々の読者によって違うということだ。

ものすごく大ざっばに言うと、いいモノ作りゃあ売れるっしょ、ということか。嗚呼、古き良き80年代よ。なんだか製造業がいつか通った道がデジャビュ。こちらはそこから2〜3周してる感があるが。


社長「我が社を取り巻く昨今の環境はとても厳しいモノであります。しかしながら付加価値の高い、本当にいいモノを作れば必ずやお客様に買って頂けるはずであります。技術者のみなさんのさらなる奮起を期待いたします。」
※マスコミは今ココ
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しかしすでにサプライヤサイドの論理に盲従する消費者はなく。
社長「我が社を取り巻く昨今の環境はとてもきb(ry。これからは、いいモノを作れば売れる、というようなプロダクトアウトの発想ではなく、対象マーケットのセグメントを明確にした上でマーケットインの発想でモノ作りを進めていかなればならないものであります。技術者のみなさん一人一人がマーケティング担当者となったつもりでさらなる奮起を期待いたします。」
※プロダクトアウトからマーケットインへ。soulnoteさんのコメントはこの辺。
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しかし「顧客の声」を形にしたものが必ずしも売れるわけでもなくジリ貧。
社長「我が社をとりまk(ry。これからは、ITを積極活用しCRMを重視してお客様一人一人に対するダイレクトなマーケティング、すなわちワントゥワンマーケティングを実現し、(ry さらなる奮起を期待いたします。」
※まあCRMじゃなくても、SCMでもERPでもなんでもよろし。
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成功事例後追いのIT投資も、結局使いこなせてるんだかいないんだかよくわからず。
社長「我(ry。これからはコストの安い中国や東南アジアへのアウトソーシングを積極活用し、(ry」
※完全にコモディティ産業に。次の段階はリストラか事業売却。IBMのPC事業みたいにね。


まあ実際にはよもやこんな恣意的なステップは踏むまいとは思う。
コメント欄でのsoulnoteさんとのやりとりを見る限り、冒頭の引用部分は次回以降への伏線であるようだ。R30氏の見せるメディア未来像の切り口に期待。