Web2.0EXPO雑感 その1 ティムオライリーはブレてない

4/22〜25(PSD)にサンフランシスコで開催されていたWeb2.0EXPOに参加してきました。
色々雑感を書いてみたいと思います。

ここ3年、etech2006、etech2007、Web2.0EXPO2008とO'Reilly主催のカンファレンスに行かせてもらいました。
ティムのキーノートをある種の定点観測的に見たとき、驚愕すべきことは言ってることがブレていないことです(変わり映えしない、ということもできるけど)。
今年のキーノートでも、

  • The internet as platform
  • Harnessing collective intelligence
  • Data as the "Intel Inside"
  • Software above the level of a single device
  • Software as a service

とか言ってるわけですが、Google App Engineみたいなクラウドコンピューティング、儲かってないけど爆発的に成長しているFacebookとかTwitter、それからモバイル(というかiPhone)とかの現状のトレンドを語る言葉|ジャーゴン|バズワード|ミームが、2005年に発明されたものだというのはちょっとした驚きです。
2006年から今年まで、カンファレンスのセッションなんかで話題に上がるようなホットな企業はどんどん移り変わっているし、中にはすでに死んでたり瀕死だったりするものもあれば(例えばetech2006のキーノートでWeb3.0とか大騒ぎしてたSecondLife。まだあるのかな?)、すでにあまねく人々の手の中にあるもの(普通にYouTubeとか、あるいはetech2006でマルチタッチインターフェイスのプレゼンがあって、これは面白いけど革新的すぎて誰も受け入れられないだろうと僕は思ってたけど、なんとそれはいまやiPod touchに組み込まれて僕のポケットの中にある)もあるのに、ティムはブレていない。

もちろん、めちゃくちゃ広いことを言ってるからなんか言っとけば当たるよ、ってのはあるんですが、

what is the web2.0?

それほど極端にトリビアルなビジョンではないように思います。

逆に、強い言霊というのは自己実現性を持つので、ティムのミームにインスピレーションを受けた人々が、それを実現していってしまうというのもあるとは思います。
Web2.0という強い言霊はだいぶ消費され尽くした感はあります。でも、この移り変わりの激しい業界で3年消費されてもまだ尽きないバズワードてのは驚異的です。
2.0バブル的なノリは米国のリセッションなんかもあり落ち着いた感はあるのですが、そうではなくて実際に世の中の人たちが使うようなサービスが生まれて世の中が変わっていくのかな、という感覚はなんとなくあります。
ほぼ全員が携帯電話持つようになる前、みんなどうやってデートの待ち合わせしていたか覚えてますか?前日に待ち合わせ場所と時間をしっかり打ち合わせておいたわけで、突発的に電車が遅れたりすると、「ごめーん、事故で電車が遅れて15分くらい遅れるかも。スタバでコーヒーでも飲んでて!」とその場で電話する訳にも行かず、ケンカになったりしたわけです。
ところで、ソーシャルブックマークRSSリーダーがなかった頃、みんなどうやってWebを見てたんでしょうか。Twitterがなかった頃、みんなどうやってTwittしてたんでしょうか。覚えてますか?僕は忘れました。<追記>Tim O'Reillyのキーノートの動画を貼っておいたんですが、なんか動画埋め込み記法が動画(70MB)を全部読み込もうとするのか、軽くブラクラだったのでやめました。
現地でもお世話になったメディアテクノロジーラボのみなさんが動画をまとめてる ので、こちらでご覧ください。
即日無料で動画公開してしまうO'Reillyの太っ腹っぷりと言行一致っぷりは素晴らしいと思います。